羽ぶとん誕生 60周年開発ストーリー
株式会社イワタの代表商品のひとつである羽ぶとんは、2024年で誕生から60周年を迎えました。
羽ぶとんづくりへの情熱-。
その想いと開発までの足跡を辿ります。
羽毛研究とイワタの始まり
滋賀県は琵琶湖の東部、のどかな田園風景が広がる湖東地域に[イワタ羽毛研究所]はあります。ここで行われているのは輸入した羽毛の検査。現地で精製を経て運ばれてくる羽毛を、イワタではさらに綿密な検査を行い、独自の技術を施して、よりクリーンで良質な羽毛に仕上げます。しかし、昔からこの精製が可能だったわけではありません。
より上質で安全な羽毛を探究する岩田卓三
軍隊時に患った結核が再発した卓三は、療養後、繊維商社へ入社し、紡績会社と共に生地の開発に着手。そして昭和38年(1963)年、[株式会社イワタ]の設立に携わり、翌年には、糊や樹脂を使用しない日本初の『ダウンプルーフ』を発表。こうしてイワタは、日本の環境に応じた羽ぶとん製造への道を辿ったのです。
他社の追随を許さない理由
1970年代の展示会。当時は柄物が中心だった。
羽毛で最も困難なのは、脱臭と殺菌、ごみの除去です。薬品を使わず、どれだけ清潔にできるかが鍵。ある時卓三は、妻のコールドクリームを見て疑問に思いました。油脂や保湿成分や水を含むのに腐敗しないのはなぜだろう?強い薬品なら肌が荒れるはず・・・。頭に浮かんだのは古代エジプト。そこには、香料を防腐や殺菌に用いた歴史があります。この着眼が、脱臭・殺菌を同時に且つ安全に行う『香料薫蒸法』開発につながり、実用新案取得の鍵となりました。
羽毛の夢を見続ける-
世界が認めた先進の特許技術・イオゾン。
現社長の岩田有史はいいます。「“ふとんは中身が見えない。だからこそ、中身にこだわれ”-これは、父・卓三から託された言葉です」。
有史は、その意思を継ぎ品質のさらなる安定化と向上を目指した。それは、羽毛の研究を行う[イワタ羽毛研究所]や開発部門にも及びます。加えて全てのパーツが有害化学物質に対する国際的な安全性基準・エコテックスに合格し、製品レベルで認証を受けました。
人と自然にやさしい素材だけを用いた寝具のラインナップ
現在、イワタは様々な自然素材を用いた寝具を総合的に展開、現代のライフスタイルに合う良質の寝床環境を提案しています。
原点である羽ぶとんのコンセプトとものづくりは、発売から60年以上を経た今でも変わりません。ご愛用者様の笑顔を励みに、力を合わせて地道な努力を重ねています。